オープンAIのCEO、AIの開発の免許制導入提唱
人工知能（AI）の技術は日々進化しており、社会に多くの利益をもたらす可能性があります。しかし、同時に、AIの悪用や誤用によるリスクも高まっています。そこで、AIの開発や運用に関する規制や監督が必要だという声が高まっています。
米国では、2023年5月16日に、上院の公聴会が開かれました。この公聴会では、AIの業界のリーダーたちが証言し、AIの規制強化への支持を表明しました。その中でも注目されたのが、オープンAIのCEOであるサム・アルトマン氏の発言です。
オープンAIとは、非営利団体として2015年に設立されたAI研究機関です。イーロン・マスクやピーター・ティールなどの有名な起業家や投資家が共同創業者となっています。オープンAIは、人類にとって有益で安全なAIを開発することを目指しており、その成果として、大規模言語モデルの「GPT-4」や画像生成モデルの「DALL-E」などを発表しています。
アルトマン氏は、公聴会で、AIが社会に与える影響について語りました。彼は、AIが人類の歴史上最も重要な技術であり、多くの問題を解決することができると述べました。しかし、同時に、AIが悪意を持った人々や国家によって悪用されたり、誤った情報や偏見を拡散したりする危険性もあると指摘しました。
そこで、彼は、AIの開発や運用に関する免許制度の導入を提唱しました。彼は、一定以上の能力を持つAIは免許を取得しなければならず、そのためには安全基準を満たすことを証明しなければならないと述べました。また、免許を発行する専門的な連邦機関を設立し、安全基準に従わない企業や個人に対しては免許を取り消すことができるようにするべきだと提案しました。
アルトマン氏は、このような規制や監督があれば、AIの潜在的な欠点を特定して管理することができると主張しました。また、規制や監督はAIのイノベーションを阻害するものではなく、むしろ促進するものだと考えていると述べました。
アルトマン氏は、オープンAI自身も安全性に配慮しており、最新版のGPT-4は提供前に6カ月以上かけて危険性のチェックをしたと説明しました。また、オープンAIは非営利団体から営利企業に移行した際にも、「キャップ制」という仕組みを導入しました。これは、オープンAIが得る利益を100倍までに制限し、それ以上の利益は社会的な目的に使われるようにするというものです。
アルトマン氏は、「私たちはオープンAIを作った理由は、人類全体にとって良いことをしたいからです」と述べ、「私たちは自分たちだけではなく、他の人々や組織も同じように考えてほしいです」と呼びかけました。